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がそういう観客層の分析もしていかないと、これから演劇は、買い興行にせよ、手づくりにせよ、難しいのではないか。
たまさかしか芝居、演劇が来ないような地域の劇場といえども、やっぱりテレビがこれだけ普及して、おもしろいものはビデオも含めて手近にわんさかございますので、わざわざ日にちを確保してチケットを買って、車にせよ徒歩にせよ電車にせよ、その劇場まで行くということに、お客が本当に娯楽のない時代、テレビがない時代ほどつながるのか。これは料金が安いとか高いとかという問題もあるかもわかりませんが。

 

○前田 
文学座公演、あるいは杉村春子さんの芝居をお呼びになるか、あるいは地元の演劇鑑賞会などで皆さんのホールでやったという館はございますか。

 

○奥山 
八戸市の公会堂で公演しました。

 

○前田 
入りはどうだったですか、そのときの話をしてくださいよ。何が来たんですか。

 

○奥山 
「華岡清洲の妻」の公演でした。八戸では市民劇場というのがございまして……。

 

○前田 
鑑賞団体。

 

○奥山 
はい、そうです。直接タッチはしないんですが、2日から3日の公演で大体3ステージやるんですが、大体いつもいっぱいになります。

 

○山下 
延べ何人ぐらいいきますか。

 

○奥山 
キャパは1620席余なんですが、2階を封じまして、下だけで大体1060、大体1000人でやるときは2ステージですね。小ホールでやるときは3ステージです。

 

○前田 
2000人程度ということですか。

 

○奥山 
そうですね。

 

○前田 
それは、市民劇場の会員さんが2000人いらっしゃる。

 

○奥山 
はい、それ以上にはいるんでしょうけれども。

 

○前田 
今の話は杉村さんに限らずということですか。

 

○奥山 
そうですね。2ヵ月に1回ですか、例会がありまして、いつも大体そのくらいの人数は入っているようです。

 

○前田 
文学座の「女の一生」についてですが、これまで杉村春子さんが40年あまり、ずうっとこのお芝居をやってこられた。それは本当にすばらしい演技だし、すばらしい芸だと思いますね。日本の新劇界、演劇界の財産と言ってもいいと思います。そう評価した上で、杉村さんがある決心をなさって、平淑恵さんにその役を譲られた。平淑恵さんの「女の一生」を見たら、あっ、あたらしい「女の一生」がまた見えたって。今まで杉村さんの

 

 

 

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